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2008.03.07(Fri)


前回までのラジ神さまhttp://blessblog.blog60.fc2.com/blog-entry-510.html


「ど・・・どないって・・・そりゃあ、速くなりたいと思ってました。」瓶太郎はボソリと言った。

「カ~~~~~~~~~~~~~~~ッツ(喝)」爺さんは絶叫しながら隣に座る瓶太郎の脳天に空手チョップを食らわせた。

「ひえ~~~~~~~~~」あまりの突然の激痛に瓶太郎は叫び、20センチ程飛び上がりならが脱糞した。

「『速くなりたい』っちゅうのが間違うとるんじゃい!速さを求めるから他の者の持ってるモノが気になるんじゃ!高級なモノを買い揃えただけで速うなれるんやったら誰でもマークライナートみたいなニットの帽子かぶるっちゅうねん!」意味不明である・・・。

「それではどうしたら良いとおっしゃるのですか?」瓶太郎は乞う様に訪ねた。

「急がば回れや・・・『速くなろう』という意識よりも先に『もっと上手になりたい』と考えるべきなんや!おまえはサーキットで一回もミスせずに一周走れるんか?」一寸の嘘も見逃さないぞとばかりに眼光鋭く爺さんは瓶太郎の眼(まなこ)を見つめた。

「いえ、必ずパイロンを踏んでしまったり転倒したりしてしまいます・・・でも・・・」瓶太郎は言葉を濁した。

「でも何や???」爺さんの目の奥でさらに何かがぎらりと光った。

「極稀に一周ぐらいはミスせずに走れるんですけど、タイムが遅いんです。他の速い人は何もかも同じ仕様なのに明らかにパワーがあって速いんです。ストレートでも離されるし・・・」

「カ~~~~~~ッツ!カツ!カ~~~~~ッツ!(喝喝喝)」今度は脳天に空手チョップ三連発である。話の途中だった瓶太郎は舌を強く噛み舌根が大きく裂けた為に口中に血が溢れた、血の味と痛みのダブルパンチで急激に気分が悪くなり二度ばかり口と鼻から嘔吐した。

「なんなんれすか~~~?」(なんなんですか?)唾液とも血とも吐物ともつかぬ液体を口と鼻から垂らしながら瓶太郎は声にならない声を漏らした。

「そこが間違うとるっちゅうんじゃ~!おまえは己の下手さを棚に上げ、物でなんとかしようとしか考えておらんやないか!おまえより速い者達はおまえより『速い道具』を持っとるんやないぞお前より『上手い』者がほとんどなんじゃ。もっと言えば、おまえより『速い道具』を持ってる者達よりもおまえが『上手く走らせる』ことができれば勝つ事もできるやないか。」爺さんは仁王立ちで腕組みしながら足下に座る瓶太郎を見下ろしながら諭す様に語りかけた。

その瞬間、瓶太郎の全身に爽やかな風が流れた。まるでシーブリーズの原液のシャワーを浴びた様な爽快感である。「目から鱗」「頭からシーブリーズ」とは良く言ったものである。

「そうだったのか・・・・練習あるのみですね・・・」瓶太郎の目は生き返った。

「ほれ!」爺さんは瓶太郎が先ほど海に投げ入れたヘリオスを差し出した。

「ラジ神さま・・・・・」

「何も言わんでエエ」瓶太郎の言葉を遮る様に爺さんは言葉を続けた。

「ほんじゃあそろそろ帰るわ!」そういって爺さんはおもむろに、懐よりスティック式のプロポを出した。

「いでよ!ポセイドン~~~~!!」そう叫んで爺さんがプロポを操作すると海中より大きなピンクのイルカが現れた。

「これエエやろ?わしのポセイドンちゃんやねん♪ラジコンで動くねんで~」ひとしきりポセイドンの自慢をした爺さんは、ヨボヨボとピンクのイルカにまたがった。

「いざ出発~~!!ほんじゃあな~若いのん!!しっかり練習せ~~よ~~!!モノのせいにばかりすんなよ~!さばらじゃ~~~!!」

 防波堤の切れ間に向かい段々と小さくなる爺さんとポセイドンを眺めながら瓶太郎は『ありがとうございましたラジ神様!これから週に二回はサーキットで練習します。そしてラジ神様に認めて貰える様な立派なテクニックを身につけます』と心に誓った。

「うぎゃ~~~~~~~~」暗闇の向こうから爺さんの叫び声が聞こえた。どうやら爺さんの操るポセイドンが誤って防波堤にぶつかったようだ。

「なんじゃこのポンコツめ~~!!全然思った様に操縦できへんやないか!!くそっ!役立たずめが~!そうや~~関東支部のラジ神のヤツは最新式のイルカのラジコン乗っとったな~~わしもそろそろ乗り換えようかな~~~!そういやあいつ最新式のプロポも持っとったぞ!わしもプロポ新調しよっと~~♪」

「ぐごぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~?!?!?!?!?!」瓶太郎は地鳴りのごとく叫んだ。

「おっさん言うてる事とやってること逆やないか~~!!シバク~~!しばいたる~~!!戻ってこ~~~い!!」


瓶太郎の怒号は波の音にかき消され、吹く風は波間に春の予感を漂わせていた。



おしまい


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2008.03.06(Thu)




 「ラジコンなんて・・・ラジコンなんてだいっきらいだ~~~~~~!」

そう叫んで瓶太郎は、3ヶ月前にこの冬のボーナスで買ったばかりのハイエンドプロポ近藤科学製ヘリオスを春の訪れ近い夜の海にめがけてドボンと投げ捨てた。

興奮冷めやらぬ瓶太郎はプロポを投げ入れた海の方角を見つめ「はあはあ」と荒い息を吐いた。


「こら~~~~~~~~~~っ!!!!!!!!誰じゃあ~~~プロポ投げたヤツは~~~~!!!」


どこからとも無く怒鳴り声が聞こえたかと思うとモーゼの十戒よろしくザザザーっと目の前の海が二つに割れ、20メートル程先にボロボロの着物を着た爺さんが立ち、この世の物とは思えぬ鬼の形相で瓶太郎を睨みつけている。

「お前か?お前やな?へリオス投げたな?ハイ決まり!」ギロリと光る眼球からはヤバいオーラが出まくっている。ズンズンとその爺さんは瓶太郎に向けて水面を滑る様に歩を進めた。

「ほげほげほげほげ・・・」恐怖のあまり腰が抜け、声にならない声をあげ目の前で起こっている事全て何もかもを否定しようと瓶太郎はその首を大きく左右に振った。

「何とか言わんかいボケ!」瓶太郎の目の前に到着するが早いか爺さんは瓶太郎のキン玉をグワッシリと握りしめた。

「うひょ~~~~~~~~ほんぺけぺ~~~~」瓶太郎は声にならない声で叫んだ。瓶太郎は心の中で(これは夢だ!悪夢だ!夢なら醒めろ!早く醒めろ!)と叫びながら自分の舌を噛んだ・・・しかし残念ながら瓶太郎の思いは叶わなかった。「今この時、己に起こっている全てが何をどうしても現実である事に変わりはない」そう悟り、そして号泣した。

「なんじゃお前小便ちびっとるやないけ」爺さんは瓶太郎の小便で濡れた右手を足下の海水でジャバジャバと洗い、己の着物の袂に擦り付ける様に拭った。

「あにゃ・・・あにゃ・・・あにゃたは?たれれすか?」(貴方は?誰ですか?)何か言わなければ何をされるか解らないという恐怖と、真に自分の疑問を明かしたいと思った瓶太郎は咄嗟に嗚咽(おえつ)混じりにこう質問した。

「わしか?まあ何ちゅうかな~~簡単に言うたらやな~神さんや!」爺さんは吐き捨てる様にそう言った。

「か・・・か・・・かみひゃまれすか???」(神様ですか???)瓶太郎は目から鼻水が出、鼻から涙が出ている気分だった。

「そや、まあラジコン専門やねんけどな・・・ラジ神(らじがみ)さんて呼んでくれてエエよ」爺さん見かけによらずフレンドリーである。

「はひ・・・」(はい)泣いた時特有の鼻の奥がツーンとするなんとも言えない感覚を瓶太郎は味わいながら返事した。

「わしな~全日本ラジ神協会関西支部の代表の神さんやねん」遠い目をしながら爺さんは答えた。

 一般的に協会というものはどこもかしこも大したことをしないものであるが、ラジ神協会などは特に何の活動もしておらず、年に一回その年の末に全国各地代表のラジ神様が集まる会議という名目の酒宴が執り行われるばかりである。

「は・・・はあ」取りあえず今すぐ殺されそうにも無いと悟った瓶太郎は若干の冷静を取り戻し溜め息混じりに返事を返した。

「まあ座れや」

まだ春早い夜の砂浜にガクガクっと崩れる様に瓶太郎は腰をおろした。続いて爺さんはひょいっと瓶太郎の隣に肩を並べる様にあぐらをかいた。

「ほんで、何でプロポ海に投げてん?まだ新品やないけ!もったいない!」爺さんは己の古びた着物の袖でヘリオスを丁寧に磨きながら聞いた。

「は・・・はい・・・実は・・・」この爺さんまんざら悪い人、いや悪い神様では無いと感じとった瓶太郎は堰を切った様に話しだした。

「実は・・・ラジコンを始めて丁度一年になるんですが、いつまで経っても速く走れないんです。始めた当初は入門用の電動カーのセットを買ったんです・・・駐車場で友だちと遊んでたんですけど、物足りなくなってきて『サーキットに行ってみよう』ってことになって、近所のサーキットで走らせてみたら自分より速い人がたくさんいて・・・それで、その人達のマシンを見たら僕たちのよりワンランク上のマシンだったんで『これが無いとダメなんだ』って事になってスグに同じマシンに買い替えたんです。そして、そのサーキットにリベンジに行ったんですけどまったくダメだったんです、ストレートでぶっちぎられて、よくよく見ると充電器とかバッテリーが全然違ったんで全部一番高いのに買い替えて、改めてリベンジに行ったんですけど全然他の人が速くて、さらに良く良く見てみるとプロポとか受信機が全然違ったんです。本で調べたら処理速度とかが全然違うって書いてあったんで、それで同じプロポを買ったんですけど・・・・・」そこまで言って瓶太郎は下を向いた。

「僕にはラジコンが向いてないんです・・・・」下を向いたまま涙と鼻水とヨダレを砂浜に垂らした。

「ふ~~~~~む」爺さんは低く静かに唸った。

「逆やな」一言ぽつりと言い放った。

「は?ぎゃくとは?」瓶太郎は爺さんに問い直した。

「おまえみたいなタイプの人間こそラジコンやるべきや。よう聞けよ~たかがラジコンとは言えサーキットで走らせたならば速い者と遅い者が生まれる。その時点で強者と弱者に別れるんや・・・勝ち負けの世界なんや、いわゆる勝負なんや、負けたく無い一心で多額の金を使ったおまえには負けず嫌いという勝負師に無くてはならん一番大事なもんが備わっとる」

「そんな難しいこと考えてラジコンやってなかったですけど・・・そうなんですか?」


「ただ~~~~~っし!」爺さんはむんずと立ち上がり叫んだ。あまりに大きな声に油断していた瓶太郎の膀胱は驚きのあまり残りの小便をズボンの中に絞り出し、股間に生暖かい温もりを与えた。

「負けず嫌いの使い方を間違うとる!!!で、おまえはいったいどないなりたいと思ってラジコンやっててん?????」これでもかと鼻の穴を膨らませ爺さんは問いかけた。

「ど・・・どないって・・・そりゃあ、速くなりたいと思ってました。」瓶太郎はボソリと言った。



後編へと続く・・・




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